日本の葬儀は、亡くなってから二、三日で行われます。通夜が翌日か翌々日、 葬儀・告別式がその翌日。遠方の方、仕事が外せない方、海外にいる方が間に 合わないのは、珍しいことではありません。
行けないことを謝る必要はありません。 必要なのは、黙ってしまわないこと です。
先に確かめること
家族葬で、辞退の連絡があったか。
家族葬は今の日本で多数派です。そして「御香典・御供花は辞退させていただき ます」と書かれていたら、それは社交辞令ではありません。送ると、ご家族が 香典返しを手配することになります。
⚠️ 辞退の連絡があった場合の正しい応じ方は、何も送らないことです。 そして後日、一言だけ伝える。それが一番ご家族を助けます。
できること、四つ
一、弔電
日本でいちばん確実な手段で、そして今でも完全に生きている形です。NTT(115)、 KDDI、郵便局、各社のウェブから送れます。
⚠️ 式の開始前に届くよう手配してください。 葬儀では弔電が読み上げられる ことがあり、間に合わないと意味が変わります。前日までに手配するのが安全です。
宛先は喪主、斎場に送ります(ご自宅ではなく)。喪主のお名前が分から ない場合は「故 ○○様 ご遺族様」で送れます。
そして文面に🔴 忌み言葉を入れないこと。「重ね重ね」「再び」「続く」 「追って」。弔電の定型文はこれを避けて作られているので、定型文をそのまま 使うのが安全です。
二、香典を郵送する
🔴 必ず現金書留で。 普通郵便や宅配便に現金を入れることは、郵便法で 禁じられています(第十七条)。郵便局の窓口で「現金書留」と言ってください。 専用の封筒があります。
中身は香典袋に入れたまま、現金書留の封筒に。そして手紙を一枚。 これが本体です——金額ではなく、何を書いたかが残ります。
送り先はご自宅(斎場ではなく)。時期は葬儀の直後から四十九日まで。
三、供花・供物
葬儀社に直接頼むのがいちばん確実です。斎場の名前を伝えれば、その式に合う 形で手配してくれます。斎場ごとに決まりがあり、自分で花屋に頼むと受け取って もらえないことがあります。
四、後日の弔問
これがいちばん意味を持つことが多いです。
必ず先に連絡してから。 突然伺うのは、いちばん疲れている時期のご家族に とって負担です。
時期は四十九日のあとが安全です。葬儀直後の一、二週間はご家族が 手続きで動けません。
長居しないこと。 三十分で十分です。お線香を上げて、一言話して、帰る。
何と言うか
短く。そして「行けなくてすみません」から始めないこと——謝罪はご家族に 返事を要求します。
通夜に伺えず、こちらから失礼します。山田さんには二十二年、 現場でいちばん助けていただきました。朝、必ず先に来ていた人でした。 落ち着かれたころに、一度お線香を上げに伺わせてください。
行けない理由の説明はいりません。 要るのはその方についての具体的な 一つです。それがご家族の手元に残ります。
文面の作り方は お悔やみメッセージの書き方に、 言ってはいけないことは 遺族に何を言うかにあります。
四十九日という、もう一度の機会
日本にはもう一度の機会があります。四十九日 です。葬儀は二日後でも、四十九日は七週間後です。
ご家族と近い関係なら「四十九日に伺えますか」と聞いてよく、これはどんな 言い訳よりよく届きます。そして一周忌、三回忌と続きます (命日に何をするか)。
行けなかったことが、長く残らないように
参列できなかった方がいちばん気にするのは、自分がその方を見送らなかった ことです。そしてそれは、あとから少し埋められます。
追悼ページができるのはそこです。ご家族が作ったページに、 参列できなかった方がアカウントなしで一言を残せます。式の日に居られなかった 人の言葉が、ご家族の手元に残ります。
そして実際にご家族が一番喜ぶのは、お金でも花でもなく、自分たちが知らない 話です。職場での一場面、三十年前の旅行、娘さんが知らなかった一面。 それが二世代でいちばん早く消えるものです。
追悼のかたち全体は まとめのページに。
根拠:郵便法第十七条(現金の取扱い)。弔電の受付時間と料金は各社でご確認 ください。



