メールやLINEで訃報を知らせるのは、二番目の輪です。職場、少し遠い友人、近所、サークル。近い家族や親族には、先に電話で伝えます。文面は数行で足ります。亡くなった方の名前とあなたとの関係、亡くなった日(病名や経緯は書かない)、決まっていれば通夜と葬儀の日時と場所、そして家族の希望です。件名をわかりやすくし、まとめて送るときはBCCにすれば、あとは文例どおりで大丈夫です。名前と日付を入れ替えて、そのまま使ってください。
相手別の文例
知らせる順番とSNSでの伝え方は、訃報をSNSで伝えるにあります。いちばん近い人たちには、文字ではなく声で伝えてください。
職場・上司へ
上司には、まず電話で一報を入れ、そのあとメールで日程と休みをまとめて送るのが一般的です。
メール ― 件名:忌引き休暇のご連絡(山田 母逝去のため)
部長
お疲れさまです。山田です。
母・山田和子が十月三日に永眠いたしました。 つきましては、十月四日から八日まで忌引き休暇をいただきたく存じます。 不在中の案件は、佐藤さんに引き継いでおります。
通夜・告別式は近親者のみの家族葬で執り行います。 誠に勝手ながら、ご香典、ご供花、ご弔問は辞退させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 山田太郎
LINE ― 親しい同僚へ
山田です。昨日、母が亡くなりました。 今週は休みをもらいます。チームには部長からメールで連絡が行きます。 葬儀は家族葬なので、気持ちだけで十分です。
職場には、死因や経緯は書きません。引き継ぎ先の名前を一行入れておくと、休みのあいだの問い合わせがぐっと減ります。
少し遠い友人へ
メール ― 件名:山本健一 逝去のお知らせ
皆さま
突然のお知らせで失礼いたします。 夫・山本健一が十月三日に七十五歳で永眠いたしました。 山歩きや日曜の釣りをご一緒くださった皆さまには、私たちから直接お伝えしたいと思い、ご連絡いたしました。
通夜は十月八日十八時から、告別式は九日十時半から、市内の○○会館にて執り行います。 喪主は私、山本恵子が務めます。
山本恵子
LINE
夜分に失礼します。山本恵子です。 今朝、健一が亡くなりました。 通夜は八日十八時、告別式は九日十時半、○○会館です。 生前は本当にありがとうございました。
遠い親戚へ
メール ― 件名:佐藤ハルの訃報
美紀さん、誠さん
祖母の佐藤ハルが、十月七日の夜、入所していた施設で九十四歳で亡くなりました。 最期は穏やかだったと聞いています。
葬儀の日程はまだ決まっていません。 決まりしだい、あらためてご連絡します。
佐藤杏奈
近所、町内会、サークルへ
メール ― 件名:会員 中村健治 逝去のお知らせ
皆さま
父・中村健治が十月二日に永眠いたしましたので、お知らせいたします。 一九九八年から会員としてお世話になり、会の集まりを何よりの楽しみにしておりました。
葬儀は近親者のみにて執り行います。 ご香典、ご供花は辞退させていただきますので、お気持ちだけ頂戴できれば幸いです。
中村真理子
LINE ― お隣の方へ
こんにちは、中村健治の娘の真理子です。 父が火曜日に亡くなりました。 この数か月、父を気にかけてくださって、本当にありがとうございました。
誰を亡くしたかで変わる、最初の一文
本文は上の文例から取ってください。変わるのは書き出しだけです。
親を亡くしたとき
母・和子が、今朝、入院先の病院で八十二歳で亡くなりました。
配偶者を亡くしたとき
つらいお知らせをしなければなりません。夫の健一が、日曜日に亡くなりました。
子どもを亡くしたとき。 できるだけ短く書きます。そして多くの場合、書くのは親ではありません。近い人が代わりに送ります。
恵子さんと誠さんに代わってご連絡します。息子の拓海くんが十月十二日に亡くなりました。 お二人はいまお返事ができる状態ではありません。葬儀については、あらためて私からお知らせします。
誰を亡くした場合でも変わらないのは、最初の一文で「亡くなりました」「永眠いたしました」とはっきり書くことです。遠回しな言い方だけでは、受け取った人が意味を推し量らなければなりません。文字で伝えるときこそ、それをさせないことが大切です。なお、ご自身の家族には「ご逝去」を使いません。「ご逝去」は相手の家族に対する敬語です。
文面に入れること
- 亡くなった方の氏名と、相手がその方を知らなければ、あなたとの関係。
- 亡くなった日。 病名や経緯は書きません。伝えたければ、あとで会ったときに。
- 通夜と葬儀・告別式の日時と場所、宗教や形式(仏式、家族葬など)、喪主。決まっていなければ、そう書いて、あらためて連絡すると添えます。
- 家族の希望があれば。家族葬、香典・供花・弔問の辞退など。
「重ね重ね」「たびたび」のような重ね言葉や、句読点の扱いなど、訃報の書き方の慣習は訃報の書き方にまとめています。
届き方を悪くする三つのこと
あいまいな件名。 「ご報告」や「お知らせ」だけでは、迷惑メールに見えるか、ほかのメールに埋もれます。件名には亡くなった方の名前を入れます。受け取った人が開く前に読むのは、件名だけです。
宛先が見えている。 二十人に一斉に送るなら、BCCに入れます。そうしないと全員のアドレスが全員に渡り、「全員に返信」が何日も続きます。LINEのグループも同じで、返信が流れ続けることを覚悟しておきます。
全員に同じ文面。 職場の同僚と、いとこに必要な文面は違います。二つか三つの版で足り、上の文例から十分ほどで作れます。
二通目のお知らせ
最初の連絡の時点で日程が決まっていなければ、同じ件名に「葬儀日程」を足して二通目を送ります。「山本健一 葬儀日程のお知らせ」。訃報そのものは繰り返さず、日時と場所だけを伝えます。来られなかった方へのお礼は、数週間後に。葬儀のあとのお礼をご覧ください。
五十の返信より、一つのリンク
メールで訃報を送ると、返信が来ます。それも何週間にもわたって、一人ひとりの受信箱にばらばらに。文面の最後に、亡くなった方のためのオンラインのページへのリンクを添える家族もあります。forevrのようなページなら、誰でもアカウントを作らずにろうそくを灯し、ひと言を添えられ、すべてが一か所に残ります。
この時期にできるほかのことは、追悼のしかたにまとめています。



